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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第20章 #20 選ぶのはお前だ



「お前は質問しなくていい、聞かれた事だけ答えろ」

痛みに耐えながらリリアがゲラルドを睨みつける。

「私は何も知らない……」
「どこまでお前を痛めつけたらエルヴィンが吐くかな?」
「……残念だね…私をいくら痛めつけても無駄だよ。というか…」

今度はリリアが薄ら笑いをゲラルドに返した。

「お前らなんかに何も話す事なんかない、クソ野郎」

ゲラルドはリリアの胸ぐらを掴み思いっきり下に向かって引っ張った。両手を上げるように拘束されているために、リリアの左肩が運悪く外れ、激痛が走る。

「いっ…あぁぁぁぁあっ!!!!」
「口の利き方に気を付けろよ、お前は容疑者なんだからな」

離した手からリリアが着けていたスカーフが破れてしまい、ゲラルドの足元に落ち踏まれてしまう。
リリアは痛みに耐えながらそのスカーフを見つめた。


(リヴァイ………)



どれだけ時間が経ったのか、どれだけ痛めつけてもリリアは何も答えなかった。ゲラルドはいつの間にか意識を無くしたリリアを放置し、牢から離れていた。
すると足音がだんだん近付き牢の前で止まる。

「リリアちゃん!」

声の主はナイルだった。外にいた見張りの兵士に話しかけ、ナイルが牢の中に入りリリアに駆け寄る。
その痛々しい姿にナイルは落胆した。

「リリアちゃん!大丈夫か?なんて事だ……」

ナイルは外にいた兵士に再び話しかける。

「おい、彼女の手枷を外してくれ」
「それは出来ません」
「あの状態じゃ逃げもしない、責任は俺が持つ!鍵を渡せ!!早くっ!!」

リリアの状態を見た兵士は、渋々鍵をナイルに渡した。
ナイルは急ぎ中に戻りリリアの手枷を外し、持って来ていた薄手の毛布を彼女に掛け支えるようにして床に座らせた。

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