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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第19章 #19 死線を越えろ



兵舎に戻る前に少しだけ、ジャンの元へ向かったリリア。
彼もかなり落ち込んでいる。

「ジャン」
「リリア兵長……」
「あまり気を落とさないで」
「俺があの時、ちゃんと殺していれば…アルミンは…」

リリアがジャンの肩に手を乗せてしゃがむ。

「ジャン、でもそれが正解とも言えないんだよ」
「えっ?」
「……時間がないからもう行くね、どうかこの先無事で」
「リリア兵長も……人を殺した事はありますか…」
「今さっき」
「つらくないですか…」
「やらなきゃこっちが殺された。もちろん申し訳ないとは思う、でも前に進むにはやるしかない。その覚悟をしてここにいる」

リリアは立ち上がりジャンの肩をポンポンと叩くとその場から離れた。
ジャンはリリアを見送ったが再び視線を落とす。


「……じゃあ何が正解なんだ…分からねぇよ、リリア兵長」


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