第19章 #19 死線を越えろ
「馬車を追うぞ!いいか、奴らは対人の戦闘に慣れている。もう3人やられた。エレン達を取り戻すためには躊躇するな、殺せる時は殺せ!分かったか?!」
皆の表情が固まる。
人を殺すなんてそんな事出来るわけがない。
しかしミカサだけは了解、と返事をした。
躊躇すればエレンとヒストリアは連れて行かれてしまう。
リヴァイが馬車に追い付き、後方にいた兵士を落とすが、次々と違う兵士が馬車に近付く。
「チッ!アルミン!!ジャン!!馬車に移れ、他は援護だ!!」
「はいっ!!」
アルミンは返事をすると馬車に飛び移った。
しかしジャンは迷いがあった。
どうして人を殺さねばならないのか、しかしやらなくてはならない。
二人が馬車に乗るとミカサが運転していた兵士を蹴り飛ばした。倒れた兵士にジャンが刃を向けるが、ジャンは攻撃出来ない。
その隙をつかれ、ジャンはブレードを吹き飛ばされその兵士に銃口を向けられた。
撃たれる、そう思った時だ。
「ジャン!!!」
パァンという音と共に倒れたのはその兵士、撃ったのはアルミンだった。