第19章 #19 死線を越えろ
「だが救いはあった。やりたい事が見つかったんだ。単純だろ?単純だが実際人生を豊かにしてくれるのは趣味だな」
「趣味か、俺の部下の頭を吹っ飛ばしたのもアンタの趣味か」
さらにリヴァイが指示を出す。酒瓶を回せ、と。
リリアはリヴァイの目の前にある酒瓶を少し回した。
そこに映ったのは入り口付近にいるケニー、これで位置の確認が出来る。
「あぁ。お前だって、テメェのために殺すだろ?」
「あぁ……」
リヴァイは酒瓶を見ながらカウンター越しにケニーに向かって銃を放った。
弾はケニーに当たり、衝撃で体は酒場から飛び出した。
リヴァイとリリアは立ち上がると窓から椅子を投げ飛ばした。
屋根の上にいた兵士がその椅子をリヴァイだと思い銃を撃つ。敵の場所を確認したリヴァイは窓から飛び出すと、上にいた兵に向かってアンカーを飛ばした。
「リリアっ!!来い!」
リヴァイはその兵士の体を引き寄せ、盾にしながら撃たれる銃弾を防ぎ前進する。
それにリリアが続き、前方にいた兵士二人を二人で斬り付けた。
「エレンとヒストリアの馬車を追う!!」
「はいっ!!」
酒場から暫く移動すると、エレンとヒストリアの乗った馬車を視界に入れた。
二人が追いかけるがしつこく憲兵が追ってくる。
リヴァイに向かって銃が撃たれるが、リヴァイは弾を避けるとアンカーを兵に飛ばし、引き寄せて斬った。
「リヴァイ!みんなが!」
リリアの声にリヴァイが振り向くと、104期のリヴァイ班が追いついて来ていた。