第18章 #18 動き出した王政
放たれた二発の銃弾、一つはニファの顔面に当たり、もう一つは避けたリヴァイの近くの柱に当たった。
無惨な姿でニファが血塗れになり、崩れ落ちていく。
その光景にリリアとリヴァイは一瞬呆然としたが、直ぐにリヴァイはリリアを後ろから抱き寄せ柱を背にし、放たれた銃弾の射線を切った。
突然の惨劇に若干震えているリリアの耳元でリヴァイが早口で喋る。
「リリア落ち着け、ここから俺はお前を守れそうにない。おそらく自分一人逃げ切るので精一杯だ」
リリアがコクコクと頷くとリヴァイが力強くリリアを抱きしめた。
「俺はお前に俺の全ての戦闘技術を教えたつもりだ。いいか、死にたくなかったら今ここで全ての技術を発揮しろ!何が何でも俺に付いてこい!!殺されそうになったら先に相手を殺せ!」
屋根の上を歩く音が段々とこちらに近付いてくる。
「よぉ、リヴァイ。大きくなったかぁ?」
リヴァイは歯を噛みしめた。
話の内容からおそらく今近付いて来ているのは先程リヴァイが言っていた切り裂きケニーだ。
もう時間がない、グズグズ構えていたら次こそ殺される。
リヴァイはリリアの体を自分に向けさせ、頬を両手で支えた。
「お前を信じている!!お前は出来る!!絶対に俺に付いてこい!!」
リリアは目を見開いた。こんな事、今までリヴァイに言われた事はない。