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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第18章 #18 動き出した王政



その時だ。
人混みが少しずつ散らばってきており、もう少しで止まっていた馬車が動きそうになっている。

「兵長。もうすぐ馬車が移動します」

リヴァイは気持ちを切り替えた。
今はこの護衛に集中しなければいけない、先程の疑問を解決しなければ。


「ニファ、切り裂きケニーを知ってるか?」
「都の大量殺人鬼ですか?憲兵が100人以上も喉を裂かれたという。でも、何年か前に流行った都市伝説ですよね」
「そいつはいる、全て本当だ」
「え?」
「ガキの頃、奴と暮らした時期がある」

リリアもリヴァイを見た。
彼の昔の話は本人から聞いた事がある。
昔、エルヴィンと出会う前までは都の地下街で暮らしていた事、まさかその時に一緒に暮らしていたのがその切り裂きケニーという事なのだろうか。


「えぇ?どうしたんですか?急に。こんな時に冗談いうなんて…」


(そうだ。奴なら平気で素人も使う。目標を集団でつける時は、両斜め後方と、見晴らしの良い高台)



馬車を見つめる3人に忍び寄る一つの影、手には銃、気配はほぼ無くまだ近付くその影に誰も気付かない。
その影が銃を構えたその時だ。リヴァイがその気配に気付いた。

リヴァイは慌ててリリアの頭を抱え込み、屋根に低く姿勢を下げ、隣にいるニファに向かって叫んだ。


「っ?!ニファ!!!」


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