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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第18章 #18 動き出した王政



キュルキュルっとワイヤーの音が近付いてきた。
現れた影が二人を捉える。
やはり狙ってきていたのは帽子を被った黒髪の長身の男、ケニーだった。

「ヒャッホー!!おぉ?あんまりオメェも変わってねぇなぁ!!しかも女付きかぁ??やるなぁ!!リヴァイ!」
「ケニィィィィィー!!!!」

リヴァイは刃をケニーに向かって投げ飛ばした。
しかしケニーは刃を跳ね除けるとリヴァイとリリアに向かって再び銃口を向ける。
リヴァイがコートを脱ぎ二人の身を隠したと同時に弾が撃たれたが、二人は上手くそれを避けた。


「リリアっ!!!来いっ!!!」


今はもう全力で逃げる。
言われた通り自分の持っている術を全て出し切り、リヴァイについて行くしかない。
リヴァイの立体機動装置の扱いはかなりのもので、本気を出したリヴァイの動きについていくのは普通の兵士では無理だろう。
正直こんな入り組んだ街中、彼がどのルートを通るかも分からないのにリリアも絶対に付いていける自信はない。
しかしリヴァイは言った。

リリアなら出来る、と。

それを信じて、自分を信じてやるだけだ。
邪魔になるマントを脱ぎ捨て、飛び出したリヴァイを見失わないよう、リリアは必死にリヴァイに付いて行った。


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