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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第18章 #18 動き出した王政



「何?」
「お前は戻れ。おそらく戦闘になる」
「分かってるよ、だから来たの。あの子達は対人に慣れていないから」

はぁ、とリヴァイがため息をついた。あまり戦闘にさせたくないリヴァイだが、やはりリリアは今更何を言っても聞かないだろう。

「大丈夫だよ、あまりに激しくなったら戻ってこいって言われてるから。リヴァイ、ありがとう」

リヴァイはリリアの前髪をクシャっとすると、皆の元へと戻った。
するとエレンが移動を始めようとしたハンジに駆け寄った。


「ハンジさん!これ。ユミルとベルトルトが話していた事で思い出した事があって。話す時間がなかったんでここに」

手渡したのは小さなメモのような紙、どうやら先日連れ去られた際、彼らが何かを話していた内容を書いているらしい。

あの後報告書に記されていた内容には『鎧の巨人』の正体がライナー・ブラウン、『超大型巨人』の正体がベルトルト・フーバー、そしてもう1人、ユミルという104期の新兵も巨人だったらしい。
ハンジは受け取るとそれをポケットにしまった。

「分かった。後で読ませてもらうよ」





一行は二手に分かれた。
一方は替え玉作戦、エレンとヒストリアの替え玉を用意し、わざと拐わせる。そして誰が我々を狙っているのかを確認する事。

もう一方は本物のエレンとヒストリアをピクシス司令のいる宿舎へ連れて行く事。
ハンジの班員、ケイジがエレンとヒストリアを馬車に乗せて連れて行き、ニファとアーベル、そしてリリアが馬車の護衛をする事となった。

リリア達は馬車が見える屋根の上から静かに護衛をしていた。

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