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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第18章 #18 動き出した王政



「リリア、おそらく今後はツラく、お前を苦しめてしまう事が起こるかもしれない。俺の妹である以上、そして団長補佐であるリリアには覚悟しておいてもらいたい」
「……何を今更」

リリアがエルヴィンの左手を握る。

「私の心臓は貴方に捧げたの。大丈夫だよ」
「すまない」
「あと……冗談なの?」
「ん?」

拗ねたようにリリア視線をそらした。

「ごめん、冗談ではないよ。リリアは綺麗だ、俺には勿体無いくらい」

ツンツンと鼻の頭を突かれ、ごめん、と顔を覗き込まれた。さらにリリアの顔が赤く染まる。
もう恥ずかしさと、嬉しさが限界で爆発してしまいそうだ。

「顔が熱い」
「真っ赤だな」

二人の笑い声が部屋に響いた。

「それはそうと具合はどうだ?」
「もう大丈夫!しっかり休んだからスッキリしてるよ!」
「そうか。なら良かった。このまま良くなればいいな」

エルヴィンが頭を撫でるとリリアは気持ち良さそうに笑った。

ずっとこのまま穏やかな日が続けばいいのに。
そう心の中で呟いた。



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