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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第18章 #18 動き出した王政



「今度は襲うよ」

リリアが目を見開く。エルヴィンの息が耳に当たり、ゾワッと身体中に鳥肌が立つ。そしてエルヴィンがトドメにフッと耳に息を吹きかけた。

「い、ゃ…」

少し体が疼き、リリアは体を小さくしてエルヴィンに抱き付いた。クツクツとエルヴィンは笑っている。
もう全てエルヴィンの思うがままになっているリリアは、顔を真っ赤にさせてエルヴィンを見上げた。

「意地悪すぎる…!」
「意地悪しているんだよ。俺がリリアをどう思っているかは話した筈だが?お前の綺麗な体を見て何も感じないわけないだろう?」
「っっっ!!!お兄ちゃん!!!バカっ!!」

リリアは思いっきり枕をエルヴィンにぶつけた。

「ほんっと意地悪っ!!」
「あはは!すまない。お前の困った顔を見たらつい」

笑いながらエルヴィンはリリアの頭を撫でた。

「でも本当に気を付けなさい」
「……はい」
「こうやって冗談言えるのも今のうちかもしれないからな」

フッとエルヴィンが視線を落とす。
きっと今後、王政が動き出す。そうなればまずターゲットにされるのは調査兵団の団長であるエルヴィンとその家族のリリアだ。
こんな時間はもう訪れない可能性だってある。
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