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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第18章 #18 動き出した王政



部屋に到着しドアノブに手を掛け少し降ろすと普通にドアが少し開く。

本当に鍵を掛けていない。

エルヴィンはため息をつきながらそのままドアを開ける。
すると目の前に服を着替えている最中のリリアがいた。
丁度服を脱いでいるところで上半身何も着ていない。


「「あっ」」


二人の声が重なり、エルヴィンはそのままドアを再び閉め、固まった。
なぜ自分は今ノックをしなかったのか、これではハンジの事を言える立場ではない。
すると中からリリアがドアを開けた。

「ごめん!まさか来るとは思ってなくて、あはは!どうしたの?入って、入って!」

リリアがエルヴィンの左手を引っ張る。

「リリア……ちゃんと鍵を閉めなさい…。お前は女なんだぞ?もう少し危機感を持って…」
「えー?私なんかに興味ある男の人いる?愛想悪いし、そんな魅力もないのに」
「愛想が悪いのはお前がわざと作っているからだろう」

そうだね、と言いながらリリアはエルヴィンをベッドに座らせ、自分も隣に座った。
はぁ、とエルヴィンが大きなため息をつく。

「ご、ごめんなさい。気を付けるよ」
「リリア……ちゃんと自覚を持ちなさい。身内だから言ってるんじゃない」

エルヴィンがリリアの顎をクンっと上げる。

「こんなに美しい女性を何とも思わない男はいないよ」
「……そうやってお兄ちゃんはすぐに褒めて……嘘ばっかり」
「リリア」
「むぅ……ごめんなさい。ちゃんとします」
「分かれば良い。もし今度同じ事したら」

エルヴィンはリリアから手を離すと、彼女の耳元に近付き囁いた。

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