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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第17章 #17 エルヴィンの想い



食堂に戻るとコニーはリリアから貰ったパンの入った大きな袋を机に置いた。
先ほど名前を呼ばれたメンバーが集まっており、何だ、と袋を覗く。

「何だこれ?」
「パン……貰った」
「パンーーー!!!しかもコレ!干した果物入ってますよ!!リリア兵長は女神だったんですね……パンの女神!」

サシャが袋の中のパンを見て歓喜の声を上げている。
コニーはぼうっとしたまま真っ直ぐ前を見ていた。そんなコニーをアルミンとエレンが心配して顔を覗き込んだ。

「コニー?大丈夫か?リリア兵長なんて?」
「あ、あぁ。母ちゃんの事、心配するなって」
「そう!良かったね」

あぁ、と返事をするがコニーはまだフワフワしているようだ。
するとエレンを見て口を開く。

「エレン、リリア兵長って元からあんな感じか?」
「は?」
「最初はやっぱり冷たそうな雰囲気だったんだけどよ、途中から突然人が変わったように柔らかくなったんだよ。俺、混乱して…」
「リリア兵長は元はあんなだぞ?優しくてよく笑う」
「そうなんだよ!!あの笑顔なんなんだよ!あれは……あれを見せられた男は絶対落ちる!!」
「…いや、それは分からねぇけど……可愛いよな」

するとアルミンも続けた。

「リリア兵長はさ、初対面の相手には必ずあぁいう態度をとって見極めてるんだと思うよ」
「見極める?」
「本当の自分を見せて大丈夫かどうか。昔つらい事があったからかもしれない、他人を怖がってる気がする。だから見極めて大丈夫だったらとことん尽くしちゃうタイプかな。逆に嫌われると凄そうだけど…」

ふーん、とコニーは椅子の背もたれにもたれ、天井を見上げた。
リリアの笑顔が脳裏から離れない。

「コニー?」
「……いやぁ…落ちた」
「やめとけコニー、リリア兵長はエルヴィン団長の妹だぞ。あと……リヴァイ兵長が絶対見てるから」
「お…おぅ……殺される…」


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