第17章 #17 エルヴィンの想い
エルヴィンから渡された紙を見ながらリリアは食堂に向かった。
今は正午過ぎ、おそらく食堂に皆いるだろう。
リリアが食堂の入り口に立つと、皆がリリアの方を見た。
「エレン・イェーガー、ミカサ・アッカーマン、アルミン・アルレルト」
見渡すとその3人は確認出来た。
呼ばれたためにエレンとアルミンは手を上げている。
「ジャン・キルシュタイン、コニー・スプリンガー、サシャ・ブラウス、ヒストリア・レイス」
はい、っと返事が返ってきた。
どうやら全員いるようだ。
「明日の8時に作戦会議室へ、遅れないように」
「は、はい」
「コニー・スプリンガー」
リリアは個別にコニーを呼んだ。
急に呼ばれたコニーは慌てて立ち上がった。どうやらコニーはまだリリアに恐怖感を持っているようだ。
無理もない、大人数の兵士の前ではリリアは今まで通りの冷めた表情をする。
だから感情が読みづらい。
「少しいいですか」
「は、はい!!」
食堂を出るとリリアとコニーは誰もいない別室に入り、コニーを椅子に座らせた。
何が入っているのだろう、リリアの足元には大きな袋。
緊張した表情でコニーがリリアを見つめる。
「コニー、あの母親と思われる巨人の事だけど」
「は、はい!あの…まさか殺すとかじゃないですよね!!それは少し待ってください、もしかしたら…もしかしたら元に戻す方法があるかもしれないし…!」
「大丈夫、今の巨人の状態から人に危害を加えるものではないと言われているから、現状維持をするようになってる」
安堵したようにコニーが息を吐いた。
どうやら今の所はラガコ村で見つかった巨人を殺される事はなさそうだ。
でもそれがいつ変わるかはわからない。