第17章 #17 エルヴィンの想い
エルヴィンは立ち上がると引き出しから紙を取り出しリリアに渡した。
その紙には、エレン、ミカサ、アルミン等、104期の調査兵の名前が書いてある。
「新しいリヴァイ班の班員だ。明日にでも皆を集めてくれないか、勿論リヴァイも」
「104期で固めたんだね」
「あぁ、何かとエレンやヒストリアを守りやすいメンバーだと思う。あまり周りに顔が知られていない新兵の方がこの先はいいだろうからな」
すると名前の書かれた紙を見ているリリアにエルヴィンが問うた。
「お前はどうする?」
「私?」
「リリアが望むならリヴァイ班に配属させるが」
リリアは首を振る。思い出されるのはグンタ、エルド、オルオ、ペトラの姿。
「私は……もう個人的に大事な仲間は作らない。守れない、私では…。リヴァイみたいに強かったらね………いいんだけど…」
「リリア……分かった。必要な時は動いてもらうが、リヴァイ班には配属しない。何より先日の戦いの怪我が心配だ」
エルヴィンがリリアの頭を撫でる。
「……何も影響がないといいのだが」
「ん?」
「頭を打ったのが怖い、と言っている。体は大丈夫か?目眩や吐き気は今はないか?」
「うん、大丈夫。それじゃあ今から声をかけてくるね。えっと…明日の朝には準備出来るかな?」
分かった、とエルヴィンが返事をするとリリアは頷いて部屋を出た。
彼女がいなくなり、エルヴィンはふぅ、と息を吐いた。
本当に頭の怪我は大丈夫なのだろうか、外傷は時間が経てば治るだろうが後遺症は後に出てくる場合もある。
「あまり戦闘はさせない方がいいのだろうな…」