第17章 #17 エルヴィンの想い
「じゃあ、その好きな人ってどんな人?私にも教えて」
「何故?」
「だって…もしかしたらいつかは私のお姉さんになるかもしれない人でしょ?」
何故もう結婚する前提の話になっているのだろう。
エルヴィンは可笑しくて仕方がないが、顔に出さないように耐えた。
いつ自分の事だと気付くか、少しからかいたくなった。
「そうだな、金髪、碧眼でとても美人だ」
「金髪、碧眼……沢山いるから分かんないよ…。というか美人て…お兄ちゃん面食い……」
エルヴィンが笑う。
「一般の人?」
「いや、兵士だ」
「えっ?!駐屯兵?憲兵?」
「いいや」
「まさか、調査兵!?」
これでだいぶ絞られるが、まだリリアは気付かない。
「年は……」
「20代前半」
「私と近いな……いたかな…金髪、碧眼……美人」
本気で考えるリリアに、エルヴィンは俯いた。
笑いで体が震える。
「えー…誰の班?」
「それを言ったら分かる」
「ダメだ……例の104期の子しか思い当たらない」
それはおそらくクリスタ、今ではもうヒストリアと言うべきか、その子の事を思い浮かべているのだろう。
しかし年齢が違う。
「もっと分かりやすいヒントないの?」
「もうないな」
「そんなぁ……金髪、碧眼、美人さん……20代前半…調査兵…」
「分かった、なら特別ヒントだ。これ以上は話せない」
「えっ?なになに?」
「兵士長だ」
「………リヴァイ……?」
どうしてこの子は絶対に自分を除外するのだろう?