• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第16章 #16 巨人の正体



「とにかく無事で何よりじゃった。エレンも無事に連れ帰れて一安心じゃの」
「はい、ひとまずは…」

すると再びドアを叩く音がする。おそらくハンジが来たのであろう、入るように言うとやはりハンジが入ってきた。
その後ろには104期の調査兵、コニーの姿もある。

「失礼するよ、エルヴィン。いらしてたのですね、ピクシス司令。ちょうど良かったです。彼は…」
「104期調査兵団コニー・スプリンガーです」
「コニーはラガコ村の出身です」

皆が驚いた顔をした。
ラガコ村といえば、今回のウォール・ローゼ内に現れた巨人の発生源と言われている村の名前だ。
ハンジ曰く、コニーに調査結果を確認してもらったところ、とある仮説の信憑性が増したという事だった。

ウォール・マリアの壁に穴は見つからなかった。
ならば何故巨人はマリア内に侵入したのだろうか、そして村人全員がまるで消えたようにいなくなったラガコ村の住人達、村に人が喰われたような血痕などはなく、避難の際には必ず使うであろう馬は残されていた。

加えコニーの家にいた巨人は移動すらできないような体の形状、ならばどうやって村に来たのか。
その巨人とコニーの母親の顔がとてもよく似ていたという。
あまり考えたくはないが、もしかしたら今回突然出現した巨人達はラガコ村の住人達ではないかというのが答えだった。


「なんじゃと!今回出現した巨人の正体がラガコ村の住人」
「つまり、巨人の正体は…人間であると…」

「まだ確証はないけど…」

皆、言葉が見つからないようだった。
今まで倒してきた巨人が人間だというのだ。それはあまりに信じ難い内容だ。

「じゃあ何か、俺は今まで必死こいて人を殺して飛び回ってた……てのか」
「確証はないと言っただろう」

その嘘のようなとんでもない報告に、リヴァイは落胆したように呟いた。
そしてハンジからの報告が終わりピクシスも部屋を後にすると、残ったのはエルヴィン、リヴァイ、リリアだった。

/ 1007ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp