第16章 #16 巨人の正体
部屋の窓から落ち込み元気なく歩くコニーとハンジを見送り、リヴァイはエルヴィンを見た。
あんな報告を受けた彼は今、何を思っているのだろう。
視線を下げていたエルヴィンは、何故か笑みを浮かべていた。
「エルヴィン、お前…何を……」
「っ!?」
「笑ってやがる」
リリアがエルヴィンの手を握り、じっと見上げた。
まるでここでは表情に出してはならない、と言っているようだ。
リヴァイの言葉に我に返ったエルヴィンはリリアの視線に気付き、すぐに表情を元に戻した。
「何でもないさ。我々はまた一歩真実に近付いたという訳だ」
「たった一歩か。踏み台にした人間と巨人の数にしちゃ、割りに合わないな」
「だが確実な一歩だ、我々はいずれ必ず突き破る。真実を隠している壁を!!」
それはエルヴィンとリリアの夢が
また一歩
近付いたという事でもあった