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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第15章 #15 離ればなれの不安



「ちょっと、お兄ちゃん!?重いでしょ?」
「いや?」
「えっと……あの…どうしたらいいの?」

「最近、自分がよく分からなくてね」
「何が?」
「リリアの事」

リリアが慌てる。
もしかして女型の捕獲作戦でエルヴィンを困らせた事がよくなかったのだろうか。
あれからエルヴィンに心臓を捧げると約束したものの、やはりまだ信じてもらえていないのかもしれないと、リリアは焦った。

「ごめんなさい」
「ん?」
「私、お兄ちゃんを不安にさせてるよね?大丈夫だよ!私はもう絶対に逆らわないから!」
「何の話だ?」

エルヴィンが首を傾げる。

「え?」
「俺が言っているのは俺自身の気持ちの問題だ。最近、リリアに対する気持ちが上手く定まらない。お前は俺の妹だ、大切な…だが、最近はお前の行動、言動で気持ちが揺らぐ」

意味がよく分からないといった顔をリリアがしている。
するとエルヴィンはリリアの胸に顔を埋めた。
今までにされた事のない行動にリリアが慌てる。

「えっ……と…お兄ちゃん?」
「だから今から少し、確かめさせてもらっていいか?」
「何を?」

顔を上げるとグンっとエルヴィンがリリアの手を引き、うわっと声を上げてリリアはエルヴィンの胸元に倒れた。

「ちょっと!お兄ちゃん、右腕痛いでしょ?ダメだよ」
「大丈夫」

リリアは顔を上げ、エルヴィンを見た。

「何を確かめるの?」
「俺の気持ち」

エルヴィンはリリアの体を片手で抱え込むと、下に寝かせて覆い被さった。
リリアが目を丸くする。

「お兄ちゃん……?」
「嫌だったら突き飛ばしたらいい」


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