第15章 #15 離ればなれの不安
ゆっくりとエルヴィンはリリアに近付くと、そっと優しく唇にキスをした。
リリアは驚き目を見開いたが、次第にゆっくり目を閉じた。
嫌な気持ちは全く無い。
一度唇が離れたが、啄むように何度もキスが続く。
と、その時だった。エルヴィンがリリアの横にドサッと倒れた。
「へっ……お兄ちゃん?お……え??あっ……あーーー!!お兄ちゃん!!!大丈夫??無理しすぎ!無理しすぎ!!」
エルヴィンの意識は無かった。
女型の巨人捕獲から今までたった1日、団長であるエルヴィンの疲労はピークだった。
リリアはベッドから降りるとエルヴィンをきちんと寝かせた。
「か、顔が熱い…」
真っ赤になった顔を手で扇ぎながら、リリアはエルヴィンの髪を撫でた。
エルヴィンはそのまま朝まで起きる事はなく、リリアもエルヴィンのした事の意味が理解出来ないままだった。