第15章 #15 離ればなれの不安
まだそんなに時間は経過していないのに何時間も経った気がする。
リリアはソワソワと落ち着かない様子で辺りを歩き回っていた。
そんな彼女を見ていたリヴァイはため息をつきリリアの頭をパコンと叩いた。
「いっ!痛いよ!!頭傷あるの!」
「落ち着け、フラフラ歩いてそれでエルヴィン達が帰ってくるわけじゃねぇだろうが」
リリアが口を尖らす。
リヴァイはリリアの腕を引っ張ると無理矢理座らせた。
諦めたリリアはそれからは大人しく時間が経つのを待った。
するとリヴァイがポケットから何かを取り出しリリアに差し出した。手のひらには小さな砂糖菓子、甘い物が好きなリリアの好物だ。
「知らねぇけどポケットに入っていた。やる」
「……何で甘い物苦手なリヴァイのポケットに入ってるの…」
「だから知らねぇって言ってんだろうが」
リリアは小さく笑うと差し出された砂糖菓子を受け取りカリッと食べた。
「…甘い、美味しい」
「そうかよ」
「ねぇリヴァイ……リヴァイがいてくれて良かった。ありがとう」
「………」