第2章 #02 トロスト区襲撃
外へ出るとまだ瓦礫の片付けや負傷者の確認が終わっていない状況だった。
兵士達はひっきりなしに走り回り、その表情には疲労の色が見える。
リヴァイもどこかで作業をしているはずだが、どこにいるのか検討もつかない。
リリアは近くにいた二人の兵士に声をかけた。
「すみません、リヴァイ兵士長はどこにいますか」
振り向いたのは男女二人の兵士、薄茶色の肩まで伸びた髪が可愛らしい女性と、少々目つきの鋭い、しかしどこかしら緩い雰囲気のどこかで見た事がある首にクラバットを巻いた青年だ。
二人はリリアの姿を見て目を見開き、慌てて敬礼をした。
「リリア兵士長!!」
「リ、リヴァイ兵長ですか?兵長なら向こうで負傷者の確認を……ご案内します!」
二人は動揺しながらもリリアをリヴァイの元へ案内し始めた。チラチラと青年がリリアを確認しながら耳打ちをする。
(オイっ!リリア兵長がなんでこんな所に?)
(知らないわよ!リヴァイ兵長に用事でしょ)
(ひっさびさに近くで見たが……やっぱメチャクチャ美しい〜……)
(アンタねぇ…)
「あ、あの!私達、リヴァイ班に配属されているペトラ・ラルとオルオ・ボザドと言います!!」
「………そう」
素っ気ないリリアの返事にペトラとオルオの表情が固まる。
二人はリリアの事を素っ気なく、冷たい態度を取る女性だとしか知らない。
リヴァイから訓練を受け、数多くの巨人を討伐、リヴァイに続き兵士長となりエルヴィンが団長就任と共に補佐となった、と。
つねに団長の側にいるために関わり合う事がほぼ無く、何度か姿を見ることはあっても話をするのはこれが初めてだ。
空気が重い。
しかしなんとか会話をして道中を保たせようと再びペトラが口を開く。