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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第13章 #13 最終捕獲作戦



準備を済ませエルヴィンとリリアはリヴァイと合流し、準備された馬車へと乗り込んだ。
違う馬車にエレンに変装したジャンも乗ったのを確認した。

あとはアルミンとミカサ、そしてエレンがアニを地下へと誘導すれば。

エルヴィン達はただ作戦の実行を待つしかない。
車内は沈黙が続き、リリアは小窓から外を見ていた。
馬車はすでにストヘス区に入っている。


と、その時だった。
外から大きな爆発音と地響きがし、馬車が止まった。

「っ!?」

エルヴィン、リヴァイ、リリアが目を見開く。

始まった。
おそらく女型の巨人が現れたのだろう。
小窓から少し遠くに上がる煙が見える。地下通路がある辺りからだ。

それを確認したエルヴィンが馬車から降りた。
するとリヴァイも立ち上がりリリアを見る。
そして立ち上がった座席の下を開けると何やら大きなケースを取り出した。

そう、リリアの予備の立体機動装置だ。

リヴァイはエルヴィンよりも先にこれを取りに行き、二人が馬車に乗り込む前にここにケースを隠していた。
全部、リリアがリヴァイに頼んだ事だ。

「やるんだな?もし少しでも迷いがあるなら俺はここでお前の足を折ってでも止めるぞ。考えはエルヴィンと同じだ」
「やる」

そう返したリリアの眼差しは鋭く、迷いはなかった。
全身打撲に頭には大きな傷、包帯も巻かれていて髪も結えない、痛み止めは止められ、足を動かすだけでも激痛だろう。
それでもリリアは女型を捕獲したい気持ちが強かった。

「いいか、捕獲だ。殺すなよ、アニからは情報を引き出さなきゃならねぇ」
「分かってる」

リヴァイは手を伸ばし、リリアの頭を軽く掴むと前髪に口付けた。
その行動にリリアが目を丸くする。

「っ?!」
「死ぬなよ、アイツらのためにも」

リリアの脳裏にエルド、グンタ、オルオ、ペトラの笑顔が浮かぶ。
頷くとリヴァイは馬車の外へ出た。


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