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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第13章 #13 最終捕獲作戦



窓から朝日が入り込んでいた。
リリアがゆっくり目を開けると、視界に入ったのはエルヴィンの姿だった。
準備しておけと言っておきながら来るのがあまりに早い、おそらく自分を見張りに来たのか。


「……おはよう、リリア」
「おはよう……早いね。どこにも行かないよ」

起き上がろうと力を入れる。
やはり身体中が痛い。
エルヴィンが背中を支えて起き上がらせてくれた。

「ありがとう」
「……リリア、頼むから大人しくしていてくれ」
「分かってるってば」
「必ず女型を捕らえてみせる。だからお前は安心して見ていてほしい」

エルヴィンの気持ちは痛いほど分かる。
リリアの為に捕獲部隊には入れたくない。
ここで無理をしたら本当に動けなくなるかもしれない、もっと自分の体を大事にしてほしい。

「準備するから、外にいて」
「あぁ…」

リリアがゆっくり立ち上がる。
するとエルヴィンが後ろからリリアを抱きしめた。

痛くないよう、優しく。


「お兄ちゃん…」
「……すまない…このまま聞いてくれ。今回もしお前が捕獲部隊と行動するとしたら確実に今後動けなくなる。それだけの怪我をしているんだ」
「大丈夫だよ、ちゃんと分かってる」
「なら、行かないな?」

リリアからの返事はない。
エルヴィンは小さく息を吐き、リリアから離れた。


「着替えなさい……」



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