第12章 #12 女型の正体
「リリア、体は大丈夫か?」
頷くだけのリリア、エルヴィンはリリアの頭を軽く撫でた。
「また明日来る。今日はゆっくりお休み」
すると去ろうとしたエルヴィンの手をリリアが掴んだ。
「お兄ちゃん……ごめんなさい…私、言っちゃいけない事…」
「ん?」
「個人的な感情………」
あぁ、とエルヴィンは呟くと、リリアの方に向きを変え膝を着き、彼女の膝の上に手を添えた。
「もういい、休みなさい」
「でも私、お兄ちゃんに………心臓を捧げるって…約束したのに……反抗しようと…」
「反抗するのか?」
ハッとリリアは言葉を止めた。
「それは……俺の制止を無視して、捕獲部隊に行くと宣言したと見ていいのか?」
「………私は…」
「リリア、顔を上げて俺を見ろ」
リリアは恐る恐る顔を上げた。
エルヴィンはやはり厳しい表情をしている。
「お兄ちゃん……」
「俺は同じ事は二度言わない、命令した。後はお前次第だ」
エルヴィンは立ち上がるとリリアの頬にキスをした。
「お休み、暖かくして寝るんだよ」