第12章 #12 女型の正体
「おい、コラ。デカイ忘れもんするな」
突然リヴァイが声をかける。
リヴァイに抱かれているリリアはエルヴィンと顔を合わせたくないのか後ろを向いたままだ。
エルヴィンが笑う。
「リヴァイ、すまなかった。預かろう」
しかしリリアはリヴァイから離れない。
まるで駄々をこねた子供だ。その光景が先程と打って変わって微笑ましく、アルミンとジャンがブッと笑い、ミカサも小さく笑っていた。
「リリア、おいで」
「……帰れば?私、リヴァイに送ってもらうからいい」
「リヴァイに迷惑だろう?ほら、早く来なさい」
エルヴィンはリヴァイから嫌がるリリアを無理矢理預かると馬に乗せ、自分も後ろに乗馬した。
「ではな、リヴァイ。詳細は後で送る」
「あぁ」
辺りはすでに暗かった。
アルミン、ジャン、ミカサと別れ、エルヴィンはリリアを病院へ送っていた。
病室へ着き、リリアをベッドに座らすが旧調査兵団本部から今までリリアは一言も話さず黙ったままだった。