第12章 #12 女型の正体
森の中で発見した血塗れのリリアのスカーフ、それを洗い持っていたのだ。
スカーフをリリアの首元に巻き、いつもしているようにリボンを作る、そしてリリアの頬に両手を添えると視線を合わせた。
「お前が選べ。悔いが残らないように」
「………」
「まぁ、調査兵団から追い出されたらオレが養ってやるよ」
「はぁ?」
リリアは泣きながら笑っている、リヴァイもそれを見て手を離した。
「帰れよ、馬の所まで送る。どうせエルヴィンの事だ。そこで待ってるだろ」
リヴァイは立ち上がるとリリアをひょいっと軽々抱き上げた。
「ちょっと?!歩けるよ…?」
「腕握られて顔歪めてた奴がよく言うな」
「むぅ…」
するとリリアがリヴァイの首元に手を回し抱き着いた。
リヴァイの身体の温かさを確かめるようにリリアが力を入れる。
リヴァイは目を閉じるとリリアの髪の毛にそっと唇を当てた。
そっと、本人に気付かれないように…
「ねぇリヴァイ」
「あ?」
「みんなの…何か持って帰った?」
「エンブレムはな」
「そう……」
リリアがスリっとリヴァイの耳元に擦り寄った。
偶然だろうが、その動きに一瞬リヴァイの体が跳ねる。
「落ち着いたら……みんなのご家族に渡しに行きたい。一緒に行こ?」
「あぁ……」