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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第12章 #12 女型の正体



「私も捕獲部隊に入れてください」
「お前には召集がかかっている。何よりその体では無理だろう。ダメだ」
「体なら大丈夫です!!私を捕獲部隊に入れてください!!」

エルヴィンがリリアの腕を握る。
それだけで痛みが走り顔を歪めた。

「たったこれだけでその痛みだ。そんな体で戦闘は無理だ、例え部隊に入れたとしても他の者達の邪魔だ。諦めろ」
「お願いします!!絶対に邪魔はしない!!女型の捕獲部隊に入れて下さい!!お願いします!!」

リリアが頭を下げる。
しかしエルヴィンは冷たい瞳でリリアを見下ろしていた。
絶対に許可はしないという顔だ。

「それは仲間の仇打ちか?今までも巨人に仲間は殺されているがお前がここまで志願することはなかった。なぜ今回の女型に関してはそんなに執着する」
「………」
「個人的な感情からくる仇討ちならやめろ。作戦の邪魔になる。命令だ、やるな」


周りの空気が強張る。
この二人がここまで言い合うのは見た事がない。


「もし命令を破るなら調査兵団を辞めろ。邪魔をするな、いいな」
「個人的な感情……?その言葉は……貴方には一番言われたくないんですが!」

ピクリと眉を動かしたが、エルヴィンは踵を返すとその場から去った。
アルミン、ミカサ、ジャンも気不味そうに部屋から出て行く。
残されたリリア、エレン、リヴァイだったが、あまりに空気が重い。

「あの……リリア兵長…大丈夫ですか?そんなに捕獲部隊に入りたいのってリヴァイ班の皆さんの事があるからですよね…」
「……エレン、お前は部屋に戻れ」
「でも……」
「戻れ。リリアと話がある」

はい、とエレンは広間から出た。

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