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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第12章 #12 女型の正体



「オイ、ガキ。それはもう分かった。他に根拠はないのか」
「ありません」

「アニは女型と、顔が似ていると私は思います」

ずっと黙って様子を見ていたミカサが口を開く。
彼女も女型はアニと思っているようだ。

「はぁ?!何言ってんだ!!そんな程度の根拠で……」
「つまり、証拠はねぇがやるんだな?」

何を聞いてもエレンはアニが女型だと思いたくないようだ。

「エレン、アニと聞いた今、思い当たる事はないの?」
「っ?!」

ミカサの問いにエレンが目を見開く。
思い当たる事?

「女型の巨人と格闘戦を交えたのなら、アニ独特の技術を目にしたりはしなかったの?分かってるんでしょ?女型の巨人がアニだって事……」


分かっていた。
巨大樹の森であの後戦ったあの女型の構え、あれはアニのものだったから……

しかしエレンは信じたくなかった。


同期を……仲間を……何故…



「とりあえずの作戦はこれくらいだ。詳細は決まり次第伝える。では我々は戻ろう」
「団長」

立ち上がったエルヴィンにリリアが声をかけて止めた。

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