• テキストサイズ

誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第2章 #02 トロスト区襲撃



暫く時間が経ち、コンコンとドアを叩く音にエルヴィンは顔を上げた。
リリアが戻ってきたのだ。

「団長、憲兵団からエレン・イェーガーとの面会許可が出ました」
「そうか」
「それとこれを」

リリアはポケットから鍵を取り出すと、それをエルヴィンに手渡した。
エルヴィンが鍵をジッと見つめる。

「これは?」
「エレン・イェーガーの生家にある地下室の鍵です」
「っ?!どうやって手に入れたんだ?あの憲兵団から」

リリアがふふふ、と笑った。

「団長の夢がある場所の大事な鍵です。貴方から返してあげてください。どうやって手に入れたかは内緒です。あ、ちゃんと許可は取ったのでその辺は安心してください」
「………ナイルが不憫だな」

まったく、とエルヴィンは苦笑いをしながら鍵をしまった。
そして深く息をつくとリリアを見つめて口を開いた。


「今回の事をどう思う?人間が巨人になるなど考えもしなかった」
「そうですね、これはあくまでも私の推測ですが、もしかしたら……エレン・イェーガーの他にも巨人になれる人間がいるのでは、例えば……あの大型巨人とか…」

エルヴィンが笑う。

「さすがは俺の妹だな、俺ももしかしたらそうなのではないかと思っていた。そして気になるのが、何故今回は内門の破壊までせずに途中で攻撃を辞めたのか、だ」
「……門を破壊するよりも、重要な事を目撃したから?」
「そうだ。おそらくエレンの巨人化を目撃したために内門の破壊をやめた。そしてこれも推論だが、もしかしたら次はエレンを狙ってくる可能性がある」

リリアが眉をひそめるが、エルヴィンはさらに話を続ける。



/ 1014ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp