第12章 #12 女型の正体
「作戦はこうだ。ストヘス区を通過する際、エレンが囮となってこの地下通路に目標を誘き出す。最下層まで連れ込めばサイズと強度から考えて例え目標が巨人化しても動きを封じる事は可能だ。だが万が一その前に巨人化した場合、エレン、君に頼む事になる」
「はい……それで肝心の目標は、ストヘス区にいる事は確実なんですか?」
エレンがエルヴィンに問うと、エルヴィンは頷いた。
「あぁ、目標は憲兵団に所属している」
「憲兵団に?」
「それを割り出したのはアルミンだ。曰く女型は生捕りにした2体の巨人を殺した犯人と思われ、君達104期訓練兵の同期である可能性がある」
エレンが目を見開いた。今、エルヴィンは何と言った?
104期訓練兵?
「ちょっと待ってください。104期って……」
「その女型の巨人と思わしき女性の名は」
「ちょっと………」
「アニ・レオンハート」
信じたくない、何故アニの名前がここで出てくるのか。
アルミンが先程病室で話した事をエレンとリヴァイにも伝える。
エレンの顔を最初から知っていた事、同期しか知らないエレンのあだ名を知っていた事、ソニーとビーンを殺した犯人がアニの可能性がある事。
「装置の検査があったろ。アニは引っかかってない」
「あの時、アニが出したのはマルコのだ。だから追及を逃れる事が出来た」
「はぁ?何言ってんだ?どうしてマルコが出てくる。見間違いじゃないのか?」
「いや、アレは確かに見覚えが……」
すると話の途中にリヴァイが口を挟んだ。