第12章 #12 女型の正体
痛い、痛い、痛い……
体中が痛い……気分も悪い
ここはどこだろう?
確か…気付いたら森を抜けてて……
微かに声が聞こえる。
誰かが誰かと話している。聞き覚えのある声だ。
リリアは重たい瞼をゆっくりと開けた。
「ほぼ全身強打しています。骨が折れていないのが不思議なくらいです。衝撃で折れる可能性が高いので、暫くは安静に。あと頭も打っています。目が覚めたら吐いたりするかもしれません、よく見ていてあげてください」
「分かった」
ゆっくりと開けた視界に入ってきたのはエルヴィンだった。
医師と話し終わったのだろう、振り向いたエルヴィンと目が合った。
「っ?!リリア?気が付いたのか?」
「……お、兄ちゃん……」
「良かった……」
エルヴィンはリリアの頬に触れた。
触れた手がとても温かい。
「生きてる……?」
「生きているよ、もう大丈夫だ」
「……エレンは…無事?女型の巨人は……」
「今は考えなくていいから、ゆっくり休みなさい」
リリアは小さく首を振った。
そして起き上がろうと体に力を入れたが激痛が体中を走る。
「うっく……!痛っ!!」
「リリア!」
どうしても起き上がりたいのだろう、エルヴィンはリリアを支え、ゆっくり負担がかからないように起こした。
あまりの痛さにそれだけで息が上がる。