第11章 #11 叶わなかった約束
一体、また一体と遺体は荷馬車から捨てられていく。
リヴァイも捨てられる彼らの遺体を悔しそうに見つめていた。
後方を走るアルミン達が捨てられた遺体を通り過ぎる。
被せられた布の隙間から見えた仲間の顔に、リリアは降りようと必死にもがくが、体に激痛が走るのとアルミンに抑えられているためにそれは叶わなかった。
「エルド!グンタ!ペトラ!!オルオ!!!」
ごめんなさい……ごめんなさい……
軽くなった荷馬車は速度を上げ巨人から距離を取ることに成功し、しばらく馬を走らせた調査兵団は位置の確認のために進行を一時止めた。
馬から降りたリヴァイはアルミンの元へ急ぎ向かう。
何故リリアは無事に戻ってきたのだろうか。
「リリア!!」
アルミンに支えられたリリアは意識はあるが朦朧としている。
肩を掴み視線を合わせると彼女の目は腫れていた。
おそらく泣いたのだろう。
「リリア……」
「ごめ……なさい……リヴァイ……私が…こんな怪我……してなかったら…みんなを…一緒に……」
「いや、お前のせいじゃない」
リヴァイは優しくリリアの頰に触れた。
「よく……無事だった……」
一筋の涙を流しリリアはゆっくり目を閉じると、そのまま意識を手放した。
リヴァイがそっとリリアを地面に寝かせアルミンを見る。