第11章 #11 叶わなかった約束
「こんな平地では戦えない、兵長も足を怪我しているし戦うのは無理だ。荷馬車に追い付かれているのは重いから……多分リヴァイ兵長は………遺体を捨てるよう指示を出してるはず」
(捨てる……遺体を…?)
「あの荷馬車にはリヴァイ班の遺体が乗ってる……これはかなりつらい選択だよ」
「っ?!」
リリアが目を見開き、そして大きな声で叫んだ。
「待って!!!待ってリヴァイ!!!」
「っ?!」
その声を聞いたリヴァイが振り向く。
何故リリアがいるのか状況が掴めない。
しかし今はそんな事を考えている余裕はなかった。
「早くしろ!!」
「待って!!みんなを置いてかないで!!巨人は私が倒すから!!お願い!!やめて!!!」
「リリア兵長!!危ないです!!」
暴れるリリアを必死にアルミンが抑える。
「お願い!!!せめて遺体は一緒に!!!大切な人の元に!!!」
『リヴァイ班全員が無事に戻ってきたら食事に行こう皆で!』
『お前ら命令だ。リリアを破産させるぐらい食え』
『えっ??あ、了解です!!』
『えーーー!!』
『無事に戻って、元気な顔を見せてあげなくちゃね』
『そうですね、よし。買って帰ります!』
『今度是非うちに来てください!弟達も喜ぶっす!!』
『いいの?行く行く!!』
『帰ったらまた色々教えてね?』
『はいっ!』
「嫌だぁぁぁ!!!やめてぇぇぇ!!!」
しかしリリアの叫びは届かなかった。