第93章 失踪ルート#03 落胆
大きなため息をついてハンジがソファに座る。
リリアがいなくなってからのリヴァイの不安定さに少し驚いていた。
思っていた以上にリヴァイはリリアに執着していたようだ。
「リヴァイ、あのさ」
「なんだ」
「こんな事言ったらアレかもだけど……もしもの時は諦めてもらうからね」
「あ?」
「今後リリアが見つからない場合は捜索を諦める事もあるからね。というかもうほぼその可能性が高いけど…」
リヴァイが悔しそうに目を閉じる。
それはリヴァイ自身もすでに分かっている、しかしもう少し探せば見つかるかもしれない、そう思い諦めきれない。
「なぁ、ハンジ。何故リリアはエレンを選んだと思う」
「選んだというか……うぅん…あの子は自分が好きな人にはとことん尽くす子だからね。エレンを放っておけなかったんだろ」
「何か一言……言って行けばいいだろうが…」
「そんな余裕もなかったんじゃないの」
リヴァイが大きく息を吐き、項垂れる。
そんな彼を見ながらハンジがポツリと呟いた。
「依存してるのはリヴァイの方でちょっと心配だよ」
「あ?」
「何でもない」
数日後の事だった。
ようやく二人に関しての情報が入ってきたのだが、考えたくなかった一番最悪な状況にリヴァイが押し潰される事となる。