第93章 失踪ルート#03 落胆
一方でアズマビトの屋敷の大広間にパラディ島の仲間達は集まっていた。
誰一人エレンとリリアの行方が分かるような情報を入手出来ていない。
「エレンのヤツ…本当にどこに行きやがった…」
ジャンが呟くとミカサが眉間にシワを寄せる。
「リリア兵長はちゃんとエレンと一緒にいるのか?もし一人だったりしたら…」
コニーが心配そうにリヴァイを見るが、リヴァイは目を閉じたまま黙っている。
彼が一番リリアを心配している筈だ。
するとリヴァイの隣にいたハンジが口を開く。
「高確率で一緒だとは思う……断言はできないけど…。そしてもし一緒ならリリアは無事だと思うよ」
リヴァイは視線だけをハンジに向ける。
「何故そう言える。根拠は?」
「エレンはリリアの事をとても大事にしているからね。命に危険が及ぶような危ない事からは守るはず。大袈裟に言えば巨人化してでも守ると思うよ。実際はそこまで出来ないけどね」
リヴァイは眉をひそめた。
確かにハンジの言う通りエレンはリリアにとても懐いている。
一緒にいるのならば彼が守るであろう。
「……っち」
「とにかく今日もお疲れ様、みんな休んでくれ」
はい、と104期達は各々部屋へと戻り、広い部屋にはリヴァイとハンジが残った。