第92章 失踪ルート#02 偽りの兄妹
「ささ、オレの事お兄ちゃんって呼んでください!」
「エレンは楽しんでるな!」
「ふふふ!あ、それと名前ですけど。オレはこれからエレン・クルーガーと名乗ります」
「クルーガー?」
エレンはリリアに再び座るように促す。
「エレンはありふれた名前だからいいんですけど、さすがにここでイェーガーを名乗るのは危ないので」
「なるほど」
「クルーガーは親父の前の継承者の名前だそうですよ」
「じゃあ私はリリア・クルーガーだね?」
「そうですね、よろしくお願いします」
エレンを見つめるリリア、エレンは今まで通り笑ってくれる。
それだけで付いてきて良かったと思える。
エレン一人だったらきっとこんな笑顔もなく一人で耐えていたのだろう。
「エレン。一つお願い」
「はい」
「これから先はきっとツライ事が多いと思うんだ。でも二人でいる時だけは笑おうね」
「……はい!」