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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第92章 失踪ルート#02 偽りの兄妹



その頃、調査兵団達は再びエレンとリリアを捜索していた。
特にリヴァイはリリアの捜索を念入りにした。
しかし特徴を伝えても彼女を見たという者は現れない。
朝から始めた捜索も気付けば辺りが暗くなる程だった。


「リヴァイ!」


休まず動きっぱなしのリヴァイにハンジが声を掛ける。


「どうした?リリアが見つかったか?」
「いや、そうじゃなくて。少しは休まないとリヴァイの身がもたないよ」
「俺のことはどうでもいいんだよ。手掛かりもねぇのか?」
「何も……まるで消えたようだよ」


クソッとリヴァイが拳を握る。
二人がいなくなりかなりの範囲を探したのに全くと言っていい程手掛かりがない。


「もう戻ろう。暗くなったら見つけられるものも見つからないよ」


ハンジの言葉に渋々リヴァイが捜索をやめた。
アズマビトの屋敷に戻ると食事をとるわけでもなく部屋へと戻る。
ドカッと椅子に座ると俯いた。



どうして目を離してしまったのだろう、なぜ側を離れたことをすぐに気付けなかったのか。
ちゃんと食べているか、片腕で不自由をしていないか、怪我はしていないだろうか、泣いていないだろうか、不安だけがリヴァイの頭を過ぎる。


「頭がおかしくなっちまいそうだ」



どうか…どうか無事で……

ただそれだけを祈るリヴァイだった。



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