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誰が為に心臓を捧げる【進撃の巨人】

第92章 失踪ルート#02 偽りの兄妹



「これから上司と部下だと都合が悪いので、オレ達の設定を決めませんか?」
「設定……友達とか?」
「病院で合流したら四六時中一緒にいますけど、友達で大丈夫です?」

リリアが悩む。
友達以外なら男女ではこれしかないが、エレン的には大丈夫なのだろうか。

「恋人?」
「ダメです!」
「即答だぁ!!」
「オレは構いませんけどリリア兵長が嫌でしょ?それはリヴァイ兵長だけの特別な関係ですし」


リリアは視線を落とした。
エレンに着いてきた時点でリヴァイとのその関係は終わったのではないかと思うからだ。

きっとリヴァイはそうは思わないのかもしれない、しかしもう元のような関係には戻れないだろう。


「兵長?」
「何でもない!なら…うーん。やっぱり姉弟?」
「ですよね」

しかし鏡を見た後リリアはエレンを見上げた。
エレンも申し訳なさそうにリリアを見ている。


この身長差、大人びたエレンと子供っぽいリリアの見た目、本人同士は姉と弟で構わないが、周りから見ればどう見ても逆だ。


「私が妹ですな」
「そ、そうですね……どう見てもそうなっちゃいますね。あ!でもオレにとってリリア兵長は姉のような存在で!!」
「フォローありがとう!!別に気にしてないけどね!別に!!」
「凄く気にしてますね!!」


ぷぅと頬を膨らませるとエレンは笑った。

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