第3章 二人の距離……交わる想い

舌を絡ませた深いキスに酔いながら、二郎にしがみついた。

「はっ……じゃ、入れる、から……出来るだけ、ゆっくり、する……」

頷いて、二郎を見る。

二郎の昂りがあてがわれ、ゆっくり進んで来る。

「んっ、ぁ……ふ、ぅっ……」

「っ……くっ、キツっ……はっ……」

どんどん入って来る感覚と、感じた事のない圧迫感に、枕を掴む手に力が入る。

「な、だっ、これっ……ぅあっ……やべっ……」

奥まで入ったのか、二郎と私の繋がった部分の皮膚が触れ合う。

「はぁ……痛い、か？」

「ちょ、っと、だけ……でも、大丈夫っ……」

前髪を撫でて、額にキスが落ちた。

少し呼吸を整えてから、二郎がゆっくり動き始める。

最初は入口辺りをゆるゆると出たり入ったりしていたけれど、そのうち呻くような声がして、深く入って来た。

動きがゆっくりから、段々小刻みな激しさへと変わって来る。

「ぁ、クソっ、こんな、がっつくとかっ……すげぇ、格好悪ぃっ……のにっ、気持ち良すぎ、てっ、腰っ、止まんねぇっ……ぅ、はっ、ンっ、あっ……」

苦しそうな、でも気持ちよさそうに腰を振る二郎の頬に手を伸ばす。

「二郎は……格好悪くっ、なっ、からっ……いっぱいっ、がっついてい、からっ、もっと、動いてっ……」

「ばっ、お前……んな事言ったら……加減出来なくなんだろーがっ……」

「加減なんて、しなくていいよ……」

激しく求めて欲しい。全身で、私を好きだと、欲しいと言って欲しいから。

何かが切れた様に、二郎が律動を早める。

腰を両手で固定され、強く揺さぶられながら、何度も頭が痺れるのを感じていた。

言葉など交わせないまま、まるで獣のように、お互いの体を貪り合う。

「っ、ごめっ、俺っ……」

「あぁあっ、じろっ、あ、んっ、ぅ、あぁっ……」

二郎に合わせるように、私も腰を動かしていく。

「やばっ、んっ、くっ、はぁっ……出るっ……出ちまっ……ぁっ……イクっ……」

「あぁあっ……」

細かく呼吸をしながら、二人で夢中になって腰を打ち付け合う。

ベッドが軋む音と、皮膚がぶつかり合う音と、いやらしい水音が耳を犯して、二人を絶頂へと導いて行った。

必死で酸素を求めながら、体を仰け反らせて達した後、意識を手放した。