第4章 二人で歩む未来
人によるだろうけど、大抵私達みたいな若者は、一度性に対するタガが外れてしまえば、後は想像通り、そこから進むのは簡単だ。
「前にも増して、お前等ベッタリだな……」
「そう? 普通だけど。ねぇ、二郎」
「付き合ってるし、こんなもんじゃね?」
保健室のベッドに、私を後ろから抱きしめる様に足を広げて座る二郎。そんな二郎に凭れ掛かってスマホを弄る。
その様子を、たっくんは呆れたように見てため息を吐いた。
「ここはラブホじゃねぇんだから、あんま変な事すんなよ? 俺が言われんだからな」
「分かってるよ」
会議があると言い、たっくんは保健室を出て行った。
二郎が私の首筋に唇を這わせる。
「んっ、二郎っ、くすぐったぃ……あっ、ン、ダメだってば……」
「ちょっとだけ……」
首筋にキスをしながら、手はちゃっかり私の胸を揉みながら、足を撫でている。
「手がっ、やらしぃっ……あっ……」
「声エロ……やべぇ、勃ちそう……」
純粋な二郎は一体何処へ行ってしまったのか。今までの二郎を考えたら、こんな事をしている今の違和感が凄い。
最近はめっきり色気が増して、彼女としては困ってしまう。
「なぁ……一回だけ、駄目か?」
後ろから顔を覗かせ、捨て犬みたいな顔で私を見る。
二郎は分かってやっているんだ。私がこれをされたら弱い事を。
「誰か来たら困るでしょ……たっくん帰って来たら」
「うーん……それもそうか……」
明らかに落ち込んでいる様子で項垂れる二郎に、まるで耳が見えるようだ。
流されたら駄目なのに、どうしてもこの状態の二郎には絶対勝てる気がしない。
「……すぐ、終わるなら……ちょっとくらい、許す」
「マジでっ!? やったっ!」
欲しい玩具を買ってもらえるのを喜ぶ子供みたいに、純粋な笑顔を浮かべた二郎を、可愛いと思ってしまう辺り、私も相当二郎馬鹿だ。
「じゃ、こっち向いて俺の膝に跨って」
言われるがまま、二郎に跨って座ろうと跨いだ瞬間、二郎に腰を抱かれ、もう片方の手が下着に触れた。
「ああンっ……」
「ほら、あんまデカい声出したら、誰かに見つかっちまうぜ?」
「突然はっ、ダメ……ぁんっ……」
「声すっげぇ、可愛い……たまんねぇ……」