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番犬で狂犬の恋は真剣【ヒプマイ夢】〘二郎夢〙

第3章 二人の距離……交わる想い




あまりの近さに、二郎の目が見開かれる。

その様子に、私は少し笑う。

「私の事、好き?」

鼻が軽く触れる。

「二郎……私は二郎がすっ……んっ……」

後頭部を押さえられ、唇が塞がれたから、続きの言葉が出せなかった。

唇が離れ、見つめあったまま、二郎の頬が赤く染まる。

「、好きだ……」

「うん、知ってる」

言って、触れるだけのキスを返した。

「……お前は……その……」

「好き」

まっすぐ彼の目を見て呟いた。

「そっ、か……」

二郎の顔が安堵したように、ゆっくり緩んだ。

そんなに嬉しそうな顔をされたら、胸が温かくなって、鼓動が早くなる。

何だか可笑しくなって、二人で笑い合う。

その笑顔を先に変化させたのは、二郎だった。

この顔は、一度だけ見た事がある。

男の、顔だ。

立ち上がる二郎に手を引かれて、私も立ち上がる。

何も言わずにそのまま歩き始め、入口付近の壁に背をつけるように立たされる。

見上げると、照れたような緊張したような、でも何処か興奮が見て取れる顔が迫る。

「ンっ……ふっ、はぁ……」

「つか、お前、唇……柔らか、っ……」

「ん、じろっ……ぅん、だっ、て……ンんっ……」

いやらしく舌が唇を撫でて、口内に差し込まれる。

ぎこちないけれど、それがまた気持ちよくて、優しい。

お互いの舌を絡める事に、夢中になる。

吐息と漏れる声と舌を絡める音が耳を犯し、二人の興奮は高まっていく。

呼吸をする事を許されないかのように、どんどん追い詰められ、二郎の服を握りしめる。

「じろぉ、まっ……て……ン、んんっ……」

足に力が入らなくて、崩れ落ちる。

「はぁ、はっ……悪いっ……夢中になってたっ……」

「はぁはぁ、ぁ……ごめっ、息っ……間に合わな、くて……はぁ……」

少し涙目になりながら、酸素を求める。

二郎を見上げると、一瞬焦ったような顔をして目を逸らした。

「んな、エロい顔して、こっち見んなっ……」

そんなつもりはないんだけど。

座り込んだ私を挟むように足を開いて座り、抱きしめられる。

「とりあえず、今日はここまでな……」

「え?」

「……これ以上はっ、止まってやれる自信ねぇから」
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