The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
ホントはそれだけの理由で警戒している訳じゃない。
未来での犯罪組織のメンバーだし…何より佐野先輩のあの『オレのモノにしたい』発言でどうしても警戒してしまう。
そう思っていれば向こう側で、何かザワついている声が聞こえてきていた。
どうしたのだろうと思っていれば三ツ谷先輩が歩いて行ってしまった。
「なんか騒がしいな」
「集会の度に騒がしいもんなー。まぁ三ツ谷が様子見に行ってくれたようだし」
「東卍のママだもんな」
「東卍のママ………」
確かに母親っぽい所はあるとは思っていたが、まさかの『ママ』と呼ばれていたとは。
苦笑を浮かべながら佐野先輩と龍宮寺先輩と話していた時である。
「よう、タケミっち」
「ん?」
「悪ぃな、急に呼び出して」
「武道………」
まさかの三ツ谷先輩の後ろから現れたのは武道。
しかも橘の姿もあり、驚いてはいたが佐野先輩の言葉で直ぐに納得した。
俺の事を呼びたいとか言っていたらしいし、東卍に入れたいからと武道も呼び出したんだろうなと。
そう思いながら武道を見ると、何処か違和感を覚えた。
(ん……?なんだろう、雰囲気が違うというか………もしかして戻ってきたのか?)
後で聞いてみるか。
そう考えていれば、武道は俺が居ることに気が付き驚いた表情を浮かべていた。
「和泉!」
「よう、武道に橘」
「オマエ、何彼女(ヨメ)なんか連れて来てんだよ」
「スイマセン。こんなになってなんて思ってなくて……というか和泉もいたんだ」
「ん、三ツ谷先輩に連れてきてもらった」
「三ツ谷…先輩??」
あ、これ三ツ谷先輩を知らないやつだ。
初対面だったのかなと思い、俺は『お前を連れ来てくれた人』と言えば『ああ』と納得していた。
「あっ、ヒナちゃんこの前はゴメンな。タケミっち達試す為とは言え脅かして」
「あっ、いえ全然大丈夫です!!」
「オイ!エマ!!」
すると龍宮寺先輩は後ろへと目線をやるとそう叫んだので、エマも来ているのかと目を見開く。
連れてきてもらったのか…と考えていればエマが此方にやって来ている姿が見えた。
「へ?エマ……って」
「ハーイ」
「このコ、タケミっちの彼女(ヨメ)だから。しっかり守っとけ」
「りょ〜か〜い」