The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
鳥肌は立つし指の間はネバネバするし、隣ではずっと三ツ谷先輩が爆笑しているし。
なんか爆笑する要素何処にあるのか分からなくて苛立つ。
「うわぁぁっ…」
「腹痛てぇっ……笑い死ぬ」
「そのまま笑い死んでも良いですよ」
「ふっ、くくっ。悪ぃっ…」
スンッと表情を無くしていれば、三ツ谷先輩は『ごめんな?』と笑いながら頭を撫でられる。
子供扱いされているなと感じたが、それが嫌に思わない所が不思議だ。
にしても何故こうもひき肉って触った感触がアレなんだろうか。
そう思いながらも鳥肌が立たせながら何とか練った。
「さてと、この練った奴をピーマンに詰めて。あとは焼くだけなんだけど……和泉、焼いてみるか?」
「っ!良いんですか?」
「おう」
まぁ焼くぐらいならオレも出来るしな。
そう思ったのだが、既にこれがフラグとも知らずに俺はフライパンにひき肉を詰め込んだピーマンを乗せた。
❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈❈
「見事に焦げてるね、ピーマンの肉詰め」
「ホントだー。真っ黒、真っ黒くろすけだぁ」
「………ごめんなさい」
「いや、見た目はあれだけど味は大丈夫だろうし」
ピーマンの肉詰めは真っ黒。
完全に焦げてしまっており、鮮やかな緑は何処に行ったというのだろうか。
何故か火は強くしてなかった。
しかも三ツ谷先輩が傍にいて、見てくれていたのに真っ黒に焦げてしまっている。
「味付けは、三ツ谷先輩がしましたからね……」
「まっ、まぁ…焦げた所は取れば……」
「お兄ちゃん、中身も真っ黒!」
「すみません……」
どんどん頭が下がっていく。
中身までまさか焦げているとは思わなかったし、最悪な状態じゃないか。
「あ、でも美味しいよ」
「美味しい!ちょっと苦いけど」
「三ツ谷先輩が、味付けしたからね……」
ホント申し訳ない。
そう思いながら箸でピーマンの肉詰めを割れば、肉までが焦げていた。
口の中に放り込めばジュワッと、三ツ谷先輩が鶏ガラだし等で味付けした味が広がる。
だけど焦げたせいで苦味が広がっていた。
「あー…和泉、今度料理も教えるな」
「お願い、します……」
「簡単なのから教えるな」
苦笑を浮かべる三ツ谷先輩に頭を下げる。
料理は得意じゃないのは知っていたが、見事にここまで焦げるとは思わなかった。