The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
そうして俺は申し訳ない気持ちで焦げたピーマンの肉詰めを胃に詰め込んでいく。
焦げた味を味わいながらも、今日東京卍會の集会についね考える。
(東京卍會の集会……どんな物か楽しみだな)
見させてもらうか。
伝説と今も名が語られている佐野真一郎の弟である、佐野万次郎がどのような集会を開きチームを纏めているのか。
(どんな集会か見ものだな)
口角が上がりそうなのを抑えてから、夕食を終えて慣れない皿洗いを手伝った。
そしてついに東京卍會の集会に行く時刻になる。
というか武道の奴、未来から戻ってきてないのだろうか。
そう思っていれば三ツ谷先輩が俺の方へと振り向き、少し笑みを浮かべる。
「集会行く準備するから待っててくれねぇか?」
「分かりました」
「あ、ウィッグ付けたほうがいいんじゃねぇの?」
「あっ……」
三ツ谷先輩が自分の頭を指でトントンと突くのを見て、すっかりウィッグを付けるのを忘れていた事を思い出す。
ウィッグはちゃんと付けなければならないな…と思い、短髪ウィッグを慣れた手つきで装着した。
「にしても…」
口の中に焦げた味が今も残ってるのが最悪だ。
そう思いながら口をモゴモゴさせていれば、部屋の扉が開いた音が聞こえて振り向いた。
「待たせてごめんな」
「……いえ」
黒の特攻服。
天上天下、唯我独尊という刺繍の時に神卍風という字もありシンプルだが見栄えがいい。
そう思いながらつい眺めてしまう。
そしてふと思い出した。
龍宮寺先輩が特攻服は三ツ谷先輩が仕立てたという話。
確か創立メンバーの特攻服を。
「そう言えば、龍宮寺先輩に聞きました。三ツ谷先輩が特攻服を仕立てたって」
「おう。こういうの得意でさ」
「なんか以外ですよね」
「まぁ…不良が裁縫得意ってのはまぁ以外だよな。さてと、んじゃ行くか。ルナマナー!いい子にしてんだぞー」
「「はーい!」」
「さてと、バイクのキーを持って」
「バイク?」
思わずそう声が出てしまった。
もしかして三ツ谷先輩ってバイクを運転するのだろうか…と思わず。
「そ、バイク。オレの愛機のインパルスでな」
「無免許運転」
「…まぁ……その辺は気にしないでくれ」
「あははははっ!!大丈夫ですよ、俺の幼馴染も無免許運転してますから」
「そんな風に笑うんだな」