The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第1章 泣き虫ヒーロー誕生
佐野万次郎。
名前は聞いたことがあるのと、東京卍會という名前も耳にした事はある。
だが生憎俺は暴走族には興味が無くなんなら嫌いな方だ。
「佐野万次郎……か」
「和泉、ありがとう」
「ん。取り敢えず俺は明日から佐野万次郎の情報集めて、どう接触するか探す」
「分かった」
「お前は今日、怪我の手当して寝ろよ?」
頷く武道を見てから俺は小さく笑い、またその金髪の頭を撫でてやった。
そして俺は武道が家の中に入っていくのを見てから、歩き出して家へと向かう。
その最中脳裏に浮かんでいたのは……。
「佐野、万次郎……」
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ー翌朝ー
翌朝になると俺は朝早くから学校に行って、佐野万次郎の情報集めを始めた。
その情報集めは昼近くまで行っていたが困った事がある。
「佐野万次郎?ああ、東京卍會のね。えっと…確か武蔵神社で集会してるっていうのは聞いたことがあるよ。ごめんね神澤君、詳しくなくて……」
「いや、ありがとうな。村坂さん」
昼近くまで情報を集めているのに、大した情報を掴める事が出来ないのだ。
分かったのは武蔵神社で集会していること、ピンクゴールドのミディアムヘアーの髪の毛をしている事。
男子にしては小柄な身長をしている事……。
「これぐらいしか分からない……」
不良を捕まえて聞いてみたが、佐野万次郎に会った事はなく下っ端なら会ったことがあるとの事。
だが特に知っている事は無いと言われた。
ならもう武蔵神社に行って会うしかないのだろうか。
だが余所者が来たら変に騒ぎが起きそうだな……と考えている時だ。
「あ……。武道とタクヤ達」
男子トイレから出てきた武道ともう一人の幼馴染である、タクヤの姿を見つけた。
他のメンバーの姿もあり俺は声をかける事にする。
「武道、タクヤ!」
「あ、和泉」
声をかけるとタクヤはニコーと笑う。
今日は体調が良いんだな…と思いながら武道を見れば、何処か暗い表情。
何かあったのだろうか。
そう思っていると、武道が俺の腕を掴んでタクヤ達から少し離れた場所に向かう。
「なんだよ、急に」
「実は今からオレら、喧嘩賭博に行くことになったんだ」
「……あのキヨマサの?」
「うん。今日タクヤがファイターになって」
「は!?タクヤが!?」