• テキストサイズ

The best happy ending【東リべ/三ツ谷】

第2章 東京卍會


「コラ!ルナマナ、急に飛びついたら駄目だろ!」

「だって、和泉お姉ちゃん来たのが嬉しいだもん」

「嬉しいのは分かるけど、それで和泉が怪我したらどうする?」


三ツ谷先輩は優しくそう聞いている。
それがホントお母さんみたいで、怒ってはいるけど声は何処までも優しいのだ。

するとルナマナちゃんは申し訳なさそうな表情をして、俺のズボンを引っ張るので屈んであげる。
そしてマナちゃんは眉を下げて口を開いた。


「和泉お姉ちゃん、ごめんなさい」

「ごめんなさい」

「良いよ。それにルナマナちゃんぐらいなら受け止めれるけど、他の人にはあまりしちゃ駄目だよ」

「うん!」


可愛い笑顔だな。
そう思いながら2人の頭を撫でてあげれば、尚更可愛い笑顔を見せてくれた。


(俺、妹とかいないからな……。『お姉ちゃん』て言葉がちょっと擽ったい)


何時も傍には年上か同い年ぐらいしかいなかった。
だからこそ甘やかされていたけど、自分より年下の知り合いが出来るとは。
だけど『お姉ちゃん』と呼ばれるのは気分が良い。


「お兄ちゃん、今日のご飯何?」

「ピーマンの肉詰め」

「うげっ!」

「またピーマン……」

「どうせ食べれるから良いだろ?」


三ツ谷先輩の言葉に2人は頬を膨らませて、不服そうにしていたが急に俺の方を向いてくる。
どうしたのだろうかと首を傾げていれば此方に走ってきた。


「お姉ちゃん、遊ぼ!」

「遊ぼ!」

「コラー。宿題したのか?」

「「うっ」」

「あと、部屋散らかってんじゃねぇか。ちゃんと片付けて、やること終わらせてからな」

「また後で遊ぼうね……」


苦笑を浮かべながら渋々と部屋に戻っていく2人を見てから、三ツ谷先輩を見れば同じく苦笑を浮かべていた。
でも言い方が完全にお母さんである。

そして三ツ谷先輩は買った物を冷蔵庫に入れたりとしており、同時にピーマンを出してシンクに置いている。
今から晩御飯の準備をするのだろう。


「あの、三ツ谷先輩」

「ん?どうした?」

「何か、手伝いましょうか?」

「……良いのか?じゃあ、玉ねぎの皮剥いて微塵切りしてくれねぇ?」

「分かりました」


玉ねぎの皮剥いて、微塵切り。
脳内でイメージしてから意気込んで、手を洗ってから玉ねぎの皮をむき出した。
/ 607ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp