The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
「この後、買い物付き合ってくれねぇ?」
「買い物ですか?」
クレープを咀嚼しながらそう聞き返す。
買い物とは何の買い物なのだろう…と首を傾げていれば、三ツ谷先輩がとある物を取り出した。
「……何ですか?ソレ」
「え?分かんねぇ?」
「チラシ……?」
三ツ谷先輩が取り出したのはチラシ。
そこには何故か肉や野菜等の写真があって、下には値段が書かれている。
『激安』なんて書いてあるが、その値段で激安なんだなと興味深く見る。
というかこのチラシがどうしたのだろう。
「今日特売の日なんだよ」
「特売、ですか?」
「そう。スーパーの特売日」
「……それって、スーパーの物が特売になるってわけですか?なんか激安とは書いてあるけど」
「え?特売日にテンション上がんねぇの??」
「何故?」
お互い固まる。
三ツ谷先輩は理解不能という表情であり、俺も理解不能という表情であった。
俺がテンション上がるのが理解不能。
三ツ谷先輩はテンション上がらないのが理解不能といいうのは一目瞭然。
「安いから、テンション上がる」
「はぁ……成程」
「和泉ってアレか?値段気にせず買う?」
「必要な物は。必要ない物は値段みて、必要か必要じゃないのかとは考えて買いますよ?」
「成程。オレらは買うもん安かったら嬉しいんだよ…金かからねぇから」
「へー」
住んでる世界が違うな。
ポソッと三ツ谷先輩は言いながら苦笑していが、何回か息を吐いてチラシを見ていた。
「今日卵がすげぇ安くてさ。1人一パックで、2パック買いてぇから和泉付き合ってくれねぇか?」
「そのぐらいなら良いですよ」
「ありがとうな。あとは牛肉も安いし、油と牛乳とかも安いんだよな〜。ああ、あと小麦とひき肉も安いな」
チラシを見ながらクレープを食べている三ツ谷先輩は、どう見ても主婦。
思わず笑いそうになったがぐっと我慢していれば、視線を感じて其方へと目線をやる。
視線が感じた先には確か、青宗達がいたよな。
そう思いながら振り向いたが既に姿は無くなっており、立ち去ったようだ。
「和泉?」
「……というか買い物何処でするんですか?」
「こっから近くのスーパー。何時も行ってる場所でさ、結構物が安いんだよな」
「……三ツ谷先輩って主婦ですよね」