The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
そんな事を思いながらも俺は何処か、三ツ谷先輩の言葉が嬉しく思っている所があるみたいだ。
だってさっきから心臓が馬鹿みたいにうるさい。
何だろうコレ。
知らない気分で今まで感じた事のない感情であり、訳が分からなくて苛立ちが見えてきた。
「掻き乱さないでくれよ……」
眉間に皺を寄せてから、額に手を置いてから何故か暑い頬を軽く抓った。
あまりホント掻き乱さでほしい。
「和泉〜」
「すみません。すぐ行きます」
「何か……急に不機嫌じゃね?」
「ええ。誰かさんのせいで」
そう言うと三ツ谷先輩『え?』という顔をしていたが、『クレープ店行くか』と言った。
さてクレープ店に行くのは良い、甘いのは別に嫌いではないから。
だけどだ。
クレープ店の列に並んだ時か問題であり、先程からウザイ程の視線が向けられていた。
「ねぇ、あそこの女の人凄い美人じゃない?お人形さんみたいだねぇ」
「三白眼だねぇ。それにイケメン美人だぁ」
「ホントだ」
視線がウザイ。
慣れてはいるがウザイものだから、並んでいる間はイラつきが増していく。
「凄い注目されてんな」
「慣れてますけどね。というか三ツ谷先輩も他人事じゃないですからね」
「え?」
「あっちの男の人もイケメンね」
「銀髪だしイケメン」
「ホントだな。ヤンチャ不良系かな」
ほら三ツ谷先輩だって注目されている。
だってこの人も顔がかなり整っているし…と思っていれば三ツ谷先輩は何とも言えない表情だ。
そう思いながら顔にかかる髪の毛を耳にかけてから、何味を食べようかなと考える。
最近クレープとか食べてないから悩む。
「和泉、何味にする?」
「そうですね。抹茶あずきか、チョコバナナとかも捨て難いですよね」
「確かに。チョコバナナは捨て難いよな」
クレープの味は色々あって、悩みすぎるのが問題だよなと思っていれば直ぐに順番が回ってきた。
そしてクレープを頼むのに『うーん』と唸ってしまう。
「お待たせしました。ご注文はお決まりでしょうか?」
「じゃあチョコバナナクレープ」
「んじゃ、オレはティラミスショコラで」
「畏まりました。暫くお待ちください」
クレープを待つ間キョロッと周りを見る。
すると見た事がある特攻服姿が視界に入り、思わず眉間に皺が寄った。