The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
「ゲホッ!!何すんだ、ゴホッ!!」
「じゃあな、和泉。さっきの言葉忘れんなよ」
修二は笑みを浮かべさせながら、背を向けてそのまま歩き出していた。
そして修二が歩いていく方を見れば白い特攻服の男達が2人程いて、修二へと頭を下げている。
その白の特攻服。
見覚えがある…何せ先程三ツ谷先輩に教えてもらった、愛美愛主の特攻服だから。
「アイツ……なんで愛美愛主と?」
何でソイツらと一緒にいるのか。
色々疑問に思いながら眉間に皺を寄せて、顔を顰めていればまた足音が聞こえた。
「どうした?和泉」
「あ……三ツ谷先輩」
「んな顔顰めて、どうした」
膝をついて俺の顔を覗き込む三ツ谷先輩は心配そうな表情をしており、だが直ぐに顔を顰めていた。
急に三ツ谷先輩が顔を顰めるので驚いて、眉間に寄っていた皺が消える。
急にどうしたのだろうか。
そう思いながらオロオロしていれば、三ツ谷先輩が少しだけ鋭い目付きをした。
「和泉、お前煙草吸ったか?」
「え?あ、いや…吸ってないですけど」
「そうなのか?何か、すげぇ煙草の匂いがすんだけど」
「あ、ああ……。さっき幼馴染に会って、ソイツが煙草吸ってて俺に煙かけてきたから」
「は?煙をかけてきた??」
俺が説明すれば三ツ谷先輩は驚いた表情を浮かべている。
まぁ煙草の煙をかけるといのは、夜のお誘いの意味も込められているが修二はそんな理由ではないだろう。
マウントか牽制を込めての煙草の煙。
「その幼馴染、質悪ぃな。つーかゲーセン内で煙草吸うなんて……」
「まぁ未成年で煙草吸ってますからね」
「というかその幼馴染、男か?」
「男ですよ」
「和泉、男の幼馴染多いんだな」
「あー…まぁ確かにそうですね」
言われてみればそうだ。
まぁ両親の知り合いやご近所さんの子供が男というのが多いから、自然と幼馴染が男が多くなった。
武道にタクヤ、そして修二に……引っ越して今は何処にいるか分からない幼馴染。
全員男であり、唯一女の子の幼馴染といえばエマぐらいだろう。
あと数名幼馴染と言える存在はいるけど…そういえば1人女の子の幼馴染いたなと思い出す。
「でもまぁ、エマもいますし」
「そうだな」
「……三ツ谷先輩、何か機嫌悪いですね」
「まぁ、ちょっと面白くなくてな」