The best happy ending【東リべ/三ツ谷】
第2章 東京卍會
「なぁに取ろうかな」
「ルナマナちゃんに、お土産としてお菓子でも取りますか?ほら、グミとかチョコとかありますし」
「おー、確かにいいな」
まずは両替するかと1000円札を両替機に入れる。
そして出てきた小銭を手にしていれば、既に三ツ谷先輩がお菓子エリアにいてチョコを取ろうとしていた。
顔は真剣で、思わず笑ってしまったが傍に寄って見ていればチョコが取れそうだ。
アームはどうやら緩くはないらしい。
「取れそうですね」
「だな。このまま落ちずに取れたら良いんだけどな…」
「あっ」
するとチョコが取り出し口へと吸い込まれるかのように、ストンと落ちた。
そして三ツ谷先輩と同時に顔を見合わせていれば、思わず微笑みが零れてしまった。
「取れましたね」
「取れたな!あー良かった…これでルナマナのご機嫌取りが出来そうだわ」
「ご機嫌取りですか?ルナマナちゃんの」
「ルナマナ抜きで、和泉とデートしたって怒られそうだからな。アイツらお前の事気に入ってるから」
「そ、それは嬉しいですけど……デートじゃないですって」
「和泉って、お堅いよな」
何故か少し以外という顔をしている三ツ谷先輩にイラッと来たのは内緒だ。
大体あの家がお堅い家なのだから、俺もそうなるだろうしなと思いながら。
そして俺はグミでも取るかと思い、機会に100円玉を入れてからアームを動かす。
取れるかどうか分からないけど。
「取れそう?」
「どうでしょう……。取れたら良いんですけどね」
そう思いながらユラユラと揺れるアームを見て、落とし口へと向かう。
するとアームはゆっくりと開いて落とし口にグミが落ちた。
「取れたっ…!」
「取れたな!」
「このゲーセン、アームそんな緩くないんですね」
「みたいだな」
勿論この後もルナマナちゃんへのお土産としてのお菓子や、ぬいぐるみを取っていった。
あまりにも大量に取るので途中で店員に睨まれたので、このあとアームが緩くなるかもしれない。
そう三ツ谷先輩と話していれば、ふと『楽しいな』と感じていた。
久しぶりに武道や溝中メンバー以外の人間と遊んで楽しいも感じたかもしれない。
「と、悪ぃ和泉。ちょっとトイレ行ってくるな」
「あ、はい。じゃあ俺ここで待ってるので」
「おう」